粘ることの重要性
ファールで粘る。僕が野球の中で好きなシーンだ。昨日、面白い試合があった。ヤクルト対DeNAの試合だ。
5回以降 5ー5ととても均衡した痺れる試合展開で、11回がやってきた。投手は砂田である。
対するバッターは、中村である。 先頭のバッターは出したくない。慎重になる。
低めから入った。初球ボール。二球目はストライク。簡単に見送った。バッターは打ちたくなるカウントだ。投手も簡単なボールは投げられない。3球目、打たれたくないという思いが先行したのか、
ワンバウンドになってしまいボール。続く球もボールとなりフォアボールで歩かした。
次の荒木はバントで見事に送り走者は二塁へ。ここで一塁が空いたので、長打が打てる山田と勝負するより、西浦と勝負した方が採算が取れると判断し、今期から導入された申告敬遠で山田は歩き西浦。
ここで、さっきの作戦が当たれば、横浜バッテリーの勝ち。一方、打たれると苦しくなる。とても面白いシーンだ。一球目慎重に入り低めにボール。この配球を見たペンギンはこれは打ち取れると確信したらしい。
二球目ショートへのフライ、ショートは去年までの倉本ではなく守備に定評がある大和。
ペンギンはその打球を見てほら予想的中と言わんばかりのドヤ顔
が、ダブルプレーを狙いにいくためわざとワンバウンドさせたボールは軌道が変わり、大和は取れずまさかのトンネルで満塁に。
🐧:まじでか! チャレンジしたことは良かったがまさかトンネルするとは
ここでこの試合のターニングポイント。青木を迎える。
青木 MLB帰りで現在歴代通算最高打率を誇る歴史に名を刻む正真正銘の安打製造機。
ここからの砂田と青木の駆け引きは名勝負だと思う。
砂田は青木のバッチングの感覚を狂わせるため、わざと間を置いた。
初球慎重にボール。
二球目を投げようとした時、青木はあまりの間に、
それを嫌いタイムをかけようとするもそれと同時に投げられ認められずストライク。
この時点で並みのバッターなら、ほぼ勝負がついただろう。
さすが青木切り替え、3、4球目のボール玉を簡単に見逃し一気にバッター有利のカウントまで立て直した。
砂田も満塁なんで絶対にコントロールミスは許されない。
しかし、バッターは青木 簡単なボールを投げようならヒットされる。
投手と打者のこの日最大の駆け引きが始まった。
5球目ストレートとても良い球だ。青木はカットした。
フルカウントに次のストレート、これも見事にカット。これは嫌なバッターの典型例である。
ストライクを絶対に投げないといけない場面はいつも以上に緊張する。それを平然とカットする青木。
恐ろしいバッターである。バッターも空振りが絶対許せない中、確かな技術でファールし粘る。
投手と打者。意地と意地のぶつかり合いだ。 6球目 ストレート。
これもカット。青木もすごいが、砂田も、絶妙なコントロールで、絶体絶命のピンチをここまで耐えてきた。
カットされるので得意玉スライダーを7球目に投じた。
青木は見た。嶺井はミットを動かしストライクのように捕球した。ボール! この瞬間。青木の勝ちが決まった。痺れる対戦だった。と同時に粘ることの大切さを改めて感じた瞬間だった。