固定概念を壊すバッティング
さあ、本日はバッティングの話だ。
指導者でもないので理論の話ではない。
まず、バッティングで優秀とされ、プロ野球で目標とされるのが、いつの時代も3割だ。
3割を超えるのが難しいのは野球を見る人、する人誰にも分かる。
そんな3割を超え4割に挑戦している人もいる。
柳田選手だ。
彼の凄さはここで語るまでないだろう。
では、目標とされる3割がどれほど困難な数字か?
まず知ってもらいたい。
まず、そもそも、記録に残るためには、
規定打席に
到達しなければならない。
規定打席:試合数×3.1
(例外もあるがここでは割愛する)
毎試合出て三打席立たないといけない。
さすがに毎試合出るのは厳しい。
三打席より多く回ってくるのが常だが、この時点でかなりハードルが高いのがうかがえる。
去年、規定打席に到達したのが、
(パリーグの方が
少なかったのは意外だった)
これを多いか少ないかは別にして、
通常野手はセリーグは8名
パリーグは9名試合に出れるが、
これは102名がスタメン野手で
出れる計算だ。
去年の規定打席は55名
この時点で既に半分脱落する。
試合に出続けるだけでも大変だ。
その上、打たなければならない。
では、3割打ったのは、去年は何人か。
規定打席に達成した人の16%
スタメン枠102名の8%だ。
スタメン枠に名前を連ねることの難しさは皆知っている。
そのスタメン選手ですら、8%しか
達成しない驚異の記録だ。
では、ここで柳田の4割という数字はどれだけすごいのか。
まだ試合は40試合程度しか
消費していないこと点で、
まだ言うのは時期早々かもしれないが、今の時点で3割を超えている人が
去年と規定打席数3割到達者数と
あまりかわらないと言う時点で、
かなりすごい記録である。
ちなみに今まで4割超えた人は
いない
(長い長いプロ野球史の中で0である。)
ちなみに、規定打席を超えた時点で4割の打者は存在した。
巨人の最強助っ人として名高い
クロマティである。
規定打席を超えた時点で4割超えていたので、仮に試合に出なければ、
4割だった。
しかし優勝がかかっていたので、
試合に出続け、達成できなかった。
打率を保つために必要とされているのは、次のことだ。
・選球眼が良いこと。
・足が速いこと。
・左バッターであること。
柳田は、選球眼も良いし、トリプルスリーを達成していることより全ての条件を満たしている。
(この三つを満たすのは至難の業)
この条件を見て、ここまで高打率でなんの不思議もない人が多いだろう。
ここからが柳田がこれまでの選手
と違う、オリジナルな点だ
柳田はスイングを見てもらうと分かるが
かなりアッパー気味だ。
これは日本の野球界では、アッパーよりレベルスイングが良いと、柳田のバッテングに対して初期の方は、批判があったように思う(実績が出ると黙る)
僕は技術的なことは一切知らないので、
アッパーが悪いやレベルが良いとか、言うことはできない。
すごいのは、かなりの大物にそういう風に言われても、多少は修正しているのかもしれないが、大きくは変えなかったことだろう。
一般生活に当てはめるとわかりやすい。
学生時代を思い出してもらいたい。
こんな人いなかっただろうか。
・一科目だけ満点で後が悲惨
・ほとんどの科目9割できて
一つだけできない。
(僕は平均的にしかできなかったのでこれらがとても羨ましい。)
これらの生徒に対してのアドバイスは、
点数の低い科目を指差して、これもっとやれ。
確かに、高得点の科目を勉強するより苦手科目を克服する方が、点数も上がり
合格しやすい。
野球でも同じだ。打てるけど、守れない
じゃあ守備練習。これも当然。
指導者は苦手な部分を修正し、
得意な部分を褒めようとしない。
悪いことではない。
先生になれば分かる。
では話を柳田に戻す。
柳田の場合は飛距離はずば抜けていて誰もが認めるものだったが、初期は三振が多く、スイングのせいだと言われていた。
しかし、飛距離はナンバー1
スイングを変えると確実に落ちた。
ここで強力な理解者が、
無理に改造しなかった。
ソフトバンク関係者は
すごいと思う。
良き理解者を得た
柳田は
その飛距離のでるスタイルを崩すことなく、バットを振り抜いた。
しばらくはこのスタイルが主流になってくるだろう。三振しても振り抜け。
仮に4割を達成したら、これまでの常識が覆るだろう。
長所を最大限活かした彼のスイングなら
変えられると思う。
最後はかなり希望的観測になっておりますが、敵チームとしても応援したい選手の一人。
常識を打ち破ってほしい。